ブルックナー 交響曲第7番

クナッパーツブッシュ指揮 ケルン放送交響楽団(1963)
ア○ゾンで取寄せ中、いつまでたっても届かない中、いつのまにかユーズドで廉価でアップされていたのですかさず購入。
これも、抑えておきたかったクナ晩年のブル7。
一説によるとクナッパーツブッシュはブル7がお気に入りだったというが、資料によると演奏記録は1940年3回、あとは、1947,1948,1949(CDあり)に1回づつ、そしてこの1963年の1回、前回から14年もあいている。確かに1947年からは毎年演奏しているが、お気に入りというには演奏回数がそう多いわけでは無い気がするが、実際のところはどうだったのだろう。
とにもかくにも、クナのブル7は(今のところ)この2種しか音源が無いのだから貴重だ。
さて、のっけの主題で圧倒される。この部分は、歴代でもマタチッチが異世界かとおもうほどのベストであったが、それに勝るとも劣らない。もうちょっとだけ音が良いか、ステレオであったら、マタチッチを凌駕したであろうことは想像に難くない。
そして、一般にはブルックナーの中でも最も優美と言われているこの曲が、なんと凄絶な曲になってしまっていることか。
こんなブル7は前代未聞であり、クナ以外に不可能であり、また許されないだろう。
1949年もすばらしかったが、この1963年は大変な演奏だ。
先日の第4(1964)といい(こちら)第3(1964)といい(こちら)また第8(1963)といいワーグナー(1963)といい(こちら)クナの最晩年の境地のなんとすさまじいことよ。まさに「神か、悪魔か」の世界だ。

さて、これでクナッパーツブッシュブルックナー音源はすべて揃った。長い道のりだった。