ヴェルディ 「ファルスタッフ」

トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1950)
このオペラもLDは持っているがCDは無かった。やはりこの演奏をエアチェックで持っていたせいだろう。
まずこれを聴いてしまったら、もうそれ以降の演奏はおいそれとは買えない。

以前、イタオペは作品として完成度を求める演奏と、歌を満喫するための演奏の2種を揃えたい、と書いたことがあるが、このオペラは違う。最晩年のヴェルディがかなりワーグナーを意識して、朗々たる歌(勿論あるのだが)よりも綿密な構成を重視しているからで、このオペラの場合は作品としての完成度(勿論ブッファとしても)が高いものが1枚あればよいのだった。
しかし、微細な点だが一つだけ注文(笑)
最終幕の若い二人の愛の歌を「そんなことしてる暇は無い」とばかりに中断させる母の切り込みは、もっと激しいカットインであって欲しかった。
私のファルスタッフの刷り込みは、このトスカニーニ盤と、二期会の日本語上演であるが(こちら)繰り返しになるが、なんとかこの日本語上演の映像をもう一度見たいものだ。主役は栗林義信だったような気が。