R・シュトラウス 「ばらの騎士」

クナッパーツブッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団(1957)
クナの「ばらの騎士」が1955年盤(こちら)以外にもあったことを知らなかった。
観客が足踏みを鳴らしてクナを迎える。ある意味ホームグラウンドでののびのびした演奏で、実に味わい深い。
1955年盤は例のぶっつけ本番の名演で、その緊張感もよいのだが、こちらの落ち着いた感じもよい。何より聴き手も落ち着いてばらの騎士を楽しめるところがよい。もしかしたら演奏としての全体の出来としては1955年盤よりいいかもしれない。
ただ、ラストの三重唱は以前書いたとおりで、クライバー親子は、この三重唱のクライマックスで、ぐんとテンポを上げるのだが、それを聴くたびに、もっとじっくりやってもいいのでは、と思うのだが、実際にじっくりやっているクナのような演奏を聴くと、やはりクライバー親子で正解なのだ、と思う。
当代随一の男爵、オットー・エーデルマンはさすがに上手い。(でも、私にはレポレロだが(笑))