ヴェルディ レクイエム
フリッチャイ指揮  ベルリン放送交響楽団(RIAS Symphonie Orchester Berlin )(1953)
実は、フリッチャイにはまっていた頃、ワゴンに廉価で置いてあった輸入盤を入手していたのだが、ヴェルディのレクイエムは、あまりにも昔に聞いていたので、とりあえず標準盤で何か聴いてから、と思っていたら、随分時間がたってしまった。今回トスカニーニのおかげで、無事聴く事ができた。
年代的にギリギリ、モノである。あと1年待ったらステレオで残っていたろうに。
それはさておき、激しい演奏ながらも透明感を失わない、どちらかといえば宗教音楽的解釈の演奏かもしれない。
この曲は宗教音楽的側面と、生々しい人間の慟哭が共存する、意外に演奏が難しい曲かもしれない。
「人間の慟哭」よりの演奏だと下卑たものに陥るし、宗教音楽に徹するとせっかくのヴェルディの音楽の潤いが失われる。
とは言え、ここまで峻厳な演奏も稀有なので、これはこれで、価値がある。