ヴェルディ 歌劇「椿姫」ドレス・リハーサル

トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1946)
以前チラッと書いた(こちら)正式録音直前のゲネプロを収録したものである。
予想と違って、トスカニーニが中断して指示を与えるとかではなく、通し演奏である。
ただし、中断はしないがトスカニーニの指示や歌う声は入っているし、リハーサルということで、歌手が高音をはしょる(長く伸ばさない)部分もある。
しかし、これを聴くと、前回聴いたこの本番の演奏が、いい言い方をすれは「緊張感にあふれた」悪い言い方をすれば「歌手もオケも指揮者も緊張で硬くなった」演奏ということがわかる。
トスカニーニとNBC交響楽団のラジオによるオペラ全曲の生放送は、「ラ・ボエーム」に続いてまだ2度目で、まだまだトスカニーニでさえ緊張する舞台であったことがよくわかる。
このリハーサルでは、躍動感にあふれ叙情性に満ちている。やはり全体がリラックスしているせいなのだろう。
厳しく言うなら本番でそれを出すのがプロだろう?ということになるのだけれど、それより、こういう録音が残っていたことを素直に喜びたい。