ブルックナー 交響曲第8番(ノヴァーク1版)

ヤング指揮 ハンブルクフィルハーモニア管弦楽団(2008)
郊外店のタワレコへいったら、待望のヤングのブル8(第1稿)がいつの間にか発売されていた(汗)油断がならない。ア○ゾンでは邦盤、輸入盤ともに 8/25 発売になっている。
さて今回の演奏であるが、例えば第1楽章冒頭、第40小節目、第1稿はティンパニが無く第2稿はティンパニがある。つまりは第2稿は外面的効果を追加しているわけである。
今までの第1稿の演奏では、「この部分は第2稿と違ってティンパニがありませんよ」ということを聴衆に提示するために、かなりすっきりと演奏されていた。しかし、ヤングはめいっぱい強奏させる。「第2稿で加えられた外面的効果など必要ない、ここは充分効果がありますよ」と言っているかのようである。これによってもわかるとおり、ヤングのスタンスは明確だ。
第2稿と違う第1稿の部分、通常は冗長的とか、第2稿より劣るといわれる部分をヤングは実に魅力的に聴かせる。
以前私は「インバルは第1稿と第2稿の違いを明確に提示してくれた。ティントナーは第1稿が第2稿に比しても、なんら遜色の無い感動を我々に与えてくれる音楽だということを提示してくれた」といった内容の事を書いたことがある(こちら
ヤングはさらに進んで「いかがですか?第1稿は実は第2稿よりも魅力的な曲なんですよ」と我々に問いかけてくるのだ。
ただ1点、第4楽章のコーダは、もっとテンポを落としたほうがよかったのでは?
ヤングの今回のスタンスとティントナーの無為の魅力は甲乙つけがたい。