プッチーニ 「トゥーランドット」

オーレン指揮 ジェノヴァ市立劇場管弦楽団(1989)
ディミトローヴァ、マルティヌッチ、ガスディア
カラス盤がベストと言っていながら、リューがちゃんとした盤をCDで1枚欲しかった。
そうしたら、アレーナ盤と主役3人が一緒のライブ録音のCDを発見したので購入。
正直主役の3人以外はあまり期待していなかったのだが、間違いだった。
主役3人をはじめ、指揮、オケ、脇役陣とも水準以上の出来で、邦盤が無いせいでこの盤の知名度が低いなら、これはもったいない話だ。
何よりもライブならではの熱気が素晴らしい。
指揮のオーレンは若干ためを作るきらいがあるが、豊かな叙情性と切り込みの深さをあわせもつダイナミックなもの。
ただ一点疑問がある。「誰も寝てはならぬ」の直後に音楽を一瞬止めるのだ。まるで、観客に拍手の間を与えるように。
通常のアリアであれば問題は無いが、このアリアは違う。ガラ等で独立して歌われる場合、この曲は主和音で終わるように編曲されているが、実際は主和音で終わらずに、転調して、早いパッセージのピン、パン、ポン(この国の大臣3人)の歌に怒涛のようになだれ込む。よって、音楽を止めてしまうと、このスリリングな展開が台無しになるのである。
それでも、この人は他も聴いてみたい、と思ったら、デアゴスティーニ・オペラの「蝶々夫人」がこの人ではないか・・・・うーん買うつもりは無かったが、これは買いか?