Secret Voyage(2008)

Blackmore's Night
日本盤の発売を待っていたが、とうとう発売されなかったのでやっと聴く。
今回重要なのは、ドラマーとベーシストのクレジットが無いこと。勿論それに相当する音はあるのだけれど。
それは、リッチーがストラトを再び手にすることにより導入されてきたハードエッジ路線の曲も「ロックとしてののり」を意識的に排除する結果になっている。
どういうことかというと、半数近くの曲が"based on traditional"となっていることからもわかるように、このアルバムは、それまで発展してきた"Blackmore's Night"の音楽性で、改めて1stアルバムあたりのコンセプトを表現しようとしているということだ。
それまで、「キャッチャーなハードエッジ路線+それまでのトラディショナル路線」だったのが、両者を渾然一体化しようとする試みと言える。
そうなると、前作あたりまでの気分でこれを聴くと、もしかしたらトーンダウンした地味な印象を持つかもしれないが(そこらへんが日本盤が出ない理由か?)音楽性はすごいアルバムで、ファンにとっての試金石的アルバムかもしれない。(キャンディスのボーカルが、ハードロック的な癖が付き過ぎてしまったような気がするが)
ちなみに、レインボー時代、唯一室内楽をバックにしていた異色の曲"Rainbow Eyes"や、プレスリーでおなじみの"Can't help falling in love"を、逆にハードなアレンジにしているのも興味深い。
さらにちなみに、エンヤっぽい曲もあるぞ。