Journeys(1986)

R. Carlos Nakai
ロン・アレンのネイティブ・アメリカン・フルートを聴いているのだが、本当はこの人から聴かなくてはならなかったのかもしれない。
この人がいなかったらネイティブ・アメリカン・フルートのメジャー化はかなったかもしれないというR・カルロス・ナカイである(日系人ではないよ、ナバホ族とユテ族の混血、ネイティブ・アメリカンでは、よくある苗字らしい)ちなみに元々はジャズのトランペッターだったとか。
膨大な数のアルバムの中から、さて初めに何を聴こうかと迷ったのだが、インディアンの呪術師(治療師)について書かれた「ローリング・サンダー」(リアルタイムで読んでいて、久々に買ったが、やっと再読中)の翻訳者の北山耕平氏が、カセット時代に擦り切れるほど聴いた、というこのアルバムを入手してみた。
ほとんどの演奏が、まったくのソロ、伴奏も無ければ、ハーモニーも無い。しかし、逆にそんなものは邪魔に感じるであろう。ヒーリングとか素朴とか、そんな言葉さえ嘘くさく聴こえるほど、ただただ「音の実存」である。それがどれほど魂に心に響いてくることか。
昔、初めて(同じように無伴奏、単旋律の)グレゴリオ聖歌を聴いた時、究極の美ではないか、と思ったものだが、その「美」さえ超えた世界がここにある。
これははまるなあ、これ以前のCDも欲しくなるなあ。

ようつべでは、他のアルバムからはけっこうあるのに、このアルバムからはこんなんしか無かった。
Life Is for Living