八つ墓村(1977)

渥美清 萩原健一 小川眞由美
というわけで(こちら)久々に見てみる。
以前にも書いたが、横溝正史の作品は、この当時ブームだった金田一ものの映画を見た後に読んだ。
で、他の作品は、けっこう早めに読んだ気がするが、この「八つ墓村」だけは、映画のイメージが強くて、かなり後になって読んだと思う。
読んでみると、映画ではミステリーの肝の部分がばっさり省略されているし、例の辰弥と典子のロマンスも無い。正直原作率50%といったところか。
この映画は大変良くできているが、よく出来ている分功罪も大きいような気がする。
ちゃんと原作を知っている人が見るならいいのだが、原作を知らないで見てしまうと「八つ墓村」がこんな話だ、と思い込んでしまいかねない(私のように)
横溝正史のミステリーとして、個人的な好みは「悪魔が来りて笛を吹く」だが、作品としての最大の傑作は「八つ墓村」であると、今では思うのだが、映画を見て原作を読む気にならない人がいるのなら、大変もったいない話である。
しかし、小川眞由美ファンとしては、うれしい映画ではある。
市川崑の豊悦版は、典子(喜多嶋舞)が出てるし、やはりかつてファンだった浅野ゆう子が美也子だから、こんどはそっちを見たいな。