R・シュトラウス「ばらの騎士」

クレメンス・クラウス指揮 バイエルン放送管弦楽団(1944)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団(1942))
ウルスレアク(ウルスラーク)(元帥夫人)
ウェーバー(男爵)
ミリンコヴィチ(オクタヴィアン)
ケルン(ゾフィー)
前奏曲がすごかったので(こちら
期待して聞いてみたら、本編は遅めのテンポで、あまりメリハリも無くまたーりと音楽が進んで行き、肩透かしを喰った感じ。1953年盤と同じ指揮者か?と疑う。
それでも第2幕以降は若干持ち直してくる。
しかし、第3幕のフィナーレ3重唱は、テンポが遅すぎて声楽としては音楽がもたないパターン。
クラウスの指揮に比して、歌手陣はこちらのほうが素晴らしい。
戦前(戦中)の歌手の底力を感じた。その歌手も声に余裕がある。
男爵のルードヴィヒ・ウェーバーは、父クライバー盤でも男爵を歌っていたが、約10年前のこの演奏では、若々しい豊かな声量と、程よい上品さ、程よい下品さ、と理想的な男爵に必要な全てを備えている気がする。
ただ、ゾフィーの声質はやや耳障り。
こうなると、クラウスの指揮を聴くなら1953年盤、歌手を聴くなら1942年盤ということになる。なかなかうまくいかないものだ。