Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(1967)mono mix

The Beatles
というわけで、プロデューサーのジョージ・マーティン
「モノラルでこそ本当にサージェント・ペパーを聴いたことになるのだ」
というペパーをまず聴く。
おさらいをすると、当時はビートルズを聴く世代にFMラジオが普及していないという前提の下、アルバムはまずモノミックスが入念に作成され、その後ステレオミックスがつけたりのように作成されていた。つまり、ステレオミックスを作成後にそれをモノにまとめたのではなく、まったく別作業で作成されていたのだ。
バージョンの違いを含めた両者の違いは、詳しいサイトがあるので、いちいちは書かないが、以前私は、架空のバンドのコンサートの形式に押し込めたために、各曲の個性が死んでいると書いた事がある。(こちら
しかし、それは、ステレオしか聴いていなかった人間のたわごとであった。各曲の迫力が、ステレオとモノではまったく違う。
例えば一つだけ挙げると、"Lucy in the Sky with Diamonds"であるが、以前から私はこの曲のジョンのボーカルが妙に浮いている気がしていたのだが、モノミックスだと、見事にバックと渾然一体となるようにミックスされている。
ビートルズを聴き始めて三十数年、モノミックスの存在や成立事情を今回初めて知り、また、初めてペパーのモノを聴いた。ファンと言っていながら、今回の発売が無ければ、ペパーのモノを聴かずに死んでいたかもしれないと思うと、薄ら寒い思いがする。