裂けた旅券(パスポート)1〜7巻(1981〜1983)

御厨さと美
先日「全巻揃えようとすると、かなりお高い」と書いたが(こちら)セットでまあまあの価格で出ていたので思い切って購入。
カバーを見ただけで、あまりに懐かしくてそれだけで感動してしまう。
ヨーロッパ各地で、裏稼業的な何でも屋を営む羅生豪介と、フランス少女マレッタの物語だが、豪介を差し置いて主役に躍り出た(?)マレッタが、実は2巻からの登場、というのも「ああ、そうだった、そうだった」と思い出してくる。
当時の国際情勢(ベルリンの壁ソヴィエト連邦が未だ存在している)各国の裏事情等、現在の目で読むとまた、考えさせられる部分が多い。
例えば、日本人が西洋骨董を何でもありがたがるために、没落貴族がガラクタを買い集め、「何々家の何」という箔をつけて高く売りつける、といったくだりは、現在でもありそうだな。
というわけで、なかなかに読み応えがあるのでじっくり読んでいこう。