ウィーン芸術週間 1963(DVD)

ワーグナージークフリート牧歌」
ワーグナーワルキューレ」第1幕(演奏会形式)
クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1963)
以前書いた、アン・デア・ウィーン劇場の1962年の超絶名演(こちら)の翌年、やはりアン・デア・ウィーン劇場でクナが指揮した映像である。
1962年の映像を見たとき、こちらも入手しようか迷ったのだが、その時は未だ「指環」に思い入れが無かったために見送っていたが、実はそれが正解だった。
その時点(2006年)で発売されていたもの(2002年)には「ジークフリート牧歌」が収録されていなかったのだ!(これは2008年発売分)よかった、よかった。
クナが出てくると万来の拍手が沸き起こる。クナが指揮台の前の椅子に座って、拍手の終わるのを待っても、拍手はいつまでも鳴り止まない。ようやくクナが立ち上がって振り返り、お辞儀をして、やっと拍手が鳴り終わる。クナの人気は絶大だ(笑)

さて「ジークフリート牧歌」であるが、実はアナログ時代から長らくこの曲は、苦手というか、初めて買ったCDに入っているなら通しで聴くが、自分から積極的に聴こうという曲ではなかった。
最初に聴いた時に、たいした起伏も無く20分もかかる退屈な曲というイメージを持ってしまったせいであろう。
しかし、さすがにこれだけ「指環」を聴いてくると、やっとこの曲の良さがわかってきた。
このクナの演奏は、意外に早めのテンポであるが、滋味溢れる、実に味わい深いものがある。
ワーグナーが早朝妻コジマの寝室の前、階段にオケを陣取らせて行ったサプライズ初演も、こんなであったろうか、と思わせる。
クナの「ジークフリート牧歌」はこの映像を含めて7種の音源があるが、我が家には4種、また聴き比べが始まるかな(笑)フルトヴェングラーもシューリヒトもトスカニーニもあるぞ(笑)クレンペラーも購入予定だぞ(爆)

ワルキューレ」第1幕
クナの「ワルキューレ」第1幕は、やはり1957年のスタジオ盤が、聳え立つ名演であろう(こちら
この映像の演奏は、1957年盤に比較してしまうと、どうしても凄みや完成度では劣るところがあるのはいたしかたない。なにせ1957年盤がすごすぎるのだ。
しかし、「ジークフリート牧歌」と同様、滋味に溢れていて、これはこれで充分名演である。
ちなみに、ソプラノのクレア・ワトソンは、カルロス・クライバーの「ばらの騎士」(バイエルン国立歌劇場)1973年音源で元帥夫人を歌っていたが、私は「不調では?」と書いていた(こちら
実は、その数年後に引退しており、その時点で衰えが目立ち始めていたのかも知れない。
こちらはその10年前、未だ30代の若々しさである。
ただ・・・・あえて言わせてもらえば、この人は若干声量が足りない。声が前に出てこない感じがして、時折もどかしい思いをするときがある。声量が無い分、声を張り上げるので、早くにのどを痛めて引退が早まったのか・・・?等と勝手な想像をしてしまう。
 
さて、「ワルキューレ」もなかなか次へ進まんぞ(笑)(勿論、ざっとは聴いているけれど)
フルトヴェングラーのスタジオ盤、クレンペラーカラヤンも入手予定だから、ますます進まん(笑)