ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」

ケンペ指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団(1955)
イゾルデ:ヴァルナイ
トリスタン:スヴァンホルム
マルケ王:ハインズ
クルヴェナール:メッテルニヒ
ブランゲーネ:シーボム
アストリッド・ヴァルナイの「トリスタン〜」は、現在2種類発売されている。
1953年のバイロイト音楽祭ヨッフム指揮と、このケンペ指揮のメト盤であるが、ケンペ盤より音がいいというヨッフム盤のほうは、現在某通販サイトでは在庫切れとのことで、こちらを購入。ライナー盤同様慣例のカットがあるようだ。(アメリカの慣例か?)
さて、前奏曲はC・クライバー並みの緊張感で始まり、矛盾した言い方だが、引きずるような推進力の迫力が並大抵ではない。
本編に入ると、躍動感と推進力は、むしろC・クライバーを凌駕するかもしれない。
第2幕の前半等の、あまりのハイスピードは、好みが分かれるかもしれないが、これは隠れた名盤ではないか?
ケンペは名前は知っていても聴くのは初めてだが、こういう指揮者だったのなら、他も聴いてみたくなる。

ヴァルナイはやはり完璧だった。先日のリゲンツァ(こちら)と比べると、迫力の点でヴァルナイに軍配が上がるだろう。

スヴァンホルムはじめ他の歌手も素晴らしい。
ああ、これで音が良くてカットがなかったら、すごい名盤扱いされたろうな〜。