アヴァロンの霧 1 異教の女王(1983)

マリオン・ジマー・ブラッドリー
以前にも書いたが(こちらアーサー王伝説を、キリスト教対ドルイド教の観点から再構築したこの作品をやっと読み始める。(読み始めたばかり)
フェミニズムの観点から語られる事も多いようだが、考えてみれば、キリスト教は男性原理で、ケルトは母系社会、地母神信仰の女性原理だから、キリスト教対ドルイド教は、必然的に男性原理対女性原理になる。欧米ではキリスト教も男性原理も根深く浸透しているから、こういう作品は書くのも出すのも大変だったろうと思う。これはアーシュラ・K・ル・グウィンも共通する価値基準だ。
ケルト神話には、浦島太郎のように、ある国へ行って、帰ってきたら何年も経っていたという話があるのだが、さりげなくそういう事にも触れられていて、ニヤリとしてしまう。
失礼な話だが、ちゃんとケルト神話を分かって書いているなあ、と思うし、そう思えるぐらいケルトについて勉強してきた自分にもニヤリとする(自爆)
これが面白かったら、他も読もうかな。ダーコーヴァ年代記は巻数が多いな。でも、途中から翻訳が進んでないようだ(アン・マキャフリイの「九星系連盟」シリーズの完結編は翻訳されないのかなあ)
おお!サトクリフのように、ローマン・ブリテン(ケルト)の話「聖なる森の家」もある!それならケルトにも詳しいはずだ。
ちなみに長時間ドラマ化されているようだが、邦訳DVDは無い模様。
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/2064/tvs/01/mistsofavalon.htm
ル・グウィンの「ゲド」もそうだったけど、ドラマ化すると大概原作通りにはいかないものだ。