ワーグナー 「パルジファル」(イタリア語)

グイ指揮、RAIローマ交響楽団(1950)
パルジファル:アフリコ・バルデッリ
グルネマンツ:ボリス・クリストフ
クンドリー:マリア・カラス
クリングゾール:ジュゼッペ・モデスティ
ティトゥレル:ディミトリー・ロパット
カラス唯一のワーグナー全曲録音である。舞台のライブ録音ではなく、放送用録音。演奏時間は3時間30分弱、第2幕がかなりハイスピード。
グイの指揮があまりにいいので驚く、しかし、ドイツの指揮者がソナタ形式がしみついていて、ワーグナーの指揮法を勘違いているのだとすれは、逆にイタリアの指揮者の方がワーグナーに向いていても不思議ではないかもしれない。
この演奏についての評判があまり聞こえてこないが、ワーグナー・ファンはイタリア語歌唱で敬遠して、カラス・ファンはカラスだけ聴いて満足して、ってな感じなんだろうか。
欠点を挙げるとするなら、カラスが歌うとすべてさらってしまう事ぐらいか(笑)
イタリア語歌唱についてだが、イタリアでドイツのオペラをイタリア語で、ドイツ語圏で、イタリアオペラをドイツ語で上演するのは、昔からあたりまえでけっこう近年までやっていた。
あるサイトでドイツ語のオペラをイタリア語でやるのは歌手が大変だったろう、と書いていたが、ほとんどイタリアの歌手だし、イタリアではたぶんワーグナーのオペラははじめからイタリア語で覚えているはずだから、この指摘はあてはまらないのではないか。