青き騎士との誓い(1996)

アイリス・ジョハンセン
だいぶ前に、本屋の店頭で「ふたりの聖なる約束」という本がなんとなく気になった。
いわゆる「ヒストリカル・ロマンス」と言われるジャンルで、まあハーレクインの時代版なんだろうが、個人的には縁が無い世界かと思っていた。
調べてみたら「青き騎士との誓い」の続編との事で、町中の古本屋を巡ったが、他のジョハンセンの作品は山ほどあるのに「青き騎士との誓い」はなかなかない。読み捨てが多いであろうこのジャンルの作品にしては、内容があるのかもしれない(失礼)と思い、更に探してやっと入手した、が、その頃はサトクリフ・サイクルだったので、読むまでに随分経ってしまった。
まあ、勝気な女と無骨な男のぶつかり合い、というあまりにもパターン化された世界には、最初は食傷気味だったが、テンプル騎士団の握った秘密あたりがからんできてだいぶ救われてくる。
しかし、読み進めて行くと、人間模様はかなり深みがあって、なるほど、こうでなければベストセラー作家にはなれないのだ、と納得。
肝心のテンプル騎士団の握った秘密は後半で明らかになるが、フェミニズム的にも宗教的にも、なかなか興味深い。
ただ、こういうジャンルの本を読むのが初めてだったので、あたりまえにSEXシーン(エロめの)が出てきて、心の準備ができていなかったのでうろたえてしまった(笑)