太陽の戦士(1958)

ローズマリー・サトクリフ
この作品も「第九軍団のワシ」(1954)と「ともしびをかかげて」(1959)の間に書かれており、ブリテンを舞台にした作品である。しかし時系列的には紀元前900年、青銅器時代である。ギリシャのポリス時代の末期、ローマの萌芽の150年前。
片腕が不自由なために、周りからは戦士になれないと決め付けられる少年の成長物語で、ある意味オーソドックスな成長物語。鉄器が現れ始めた頃、という興味深い時代背景はあるが、例えばこれを、インディアンの少年の物語として置き換えることもできるので、あまり事態背景には束縛されていない物語と言える。
しかし、オーソドックスな分、すなおなハッピーエンドは、心が安らぐなあ。