ロッシーニ「アルミーダ」

セラフィン指揮 フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団(1952)
マリア・カラス
フランチェスコ・アルバネーゼ
マリオ・フィリッペスキ
ジャンニ・ライモンディ
アレッサンドロ・ジリアーニ

「解放されたエルサレム」を元にしたオペラ・セリアで、早い話がヨーロッパから見た十字軍の物語。「アルミーダ」は、シリアのダマスカスの女王、かつ魔女で、十字軍の騎士を誘惑して分裂させようとするが、本気になってしまい、愛と旧国のはざまで苦しむ悲劇(でいいのかな?)
こちらは発掘音源系で、かなり音は悪い。
しかし、オペラ・セリアということで、ブッファの時に鼻についたロッシーニの「パターン」が無く、正にこれぞ正統派のベルカント、初期のヴェルディへの道筋が見える。なんだ、セリアのロッシーニって良いではないか!
若き日のカラスは、高音など、これでもか!と言うほど出る。
このオペラはカラス以外がすべて男声なのだが、その男声5人中4人までがテノールで、それぞれに有名どころが歌っていて、こちらも皆絶好調。うーん、これなら音が悪くても発売する価値は充分である。(ただし、最終幕(第3幕)に一部欠落あり)