ベッリーニ「ノルマ」

セラフィン指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団(1954)
マリア・カラス
マリオ・フィリッペスキ
エベ・スティニャーニ
ニコラ・ロッシ=レメーニ

いよいよ、ドニゼッティと並ぶベルカントの雄、ベッリーニである。
以前に書いた(こちら)「古代ローマに対抗するケルトの女性の悲劇」。
カラスの「ノルマ」はかなり多く、オフィシャルも2種あるのだが、その内の早い方の録音である。
ドニゼッティの4歳下、早世の天才ベッリーニの音楽は、ドニゼッティに比べ、よりドラマティックさが増し、メロディは美しさに甘美さが加わっていると言える。この後、ヴェルディはドラマティックさをより構築的につきつめ、プッチーニは甘美さを管弦楽でも追求してゆく・・・・て流れかな?
しかし、よく言われるようにいかにも「伴奏然」とした管弦楽のせいなのかわからないが、全体の音楽としての面白さは、ドニゼッティに一歩譲るような気もする。
録音が若干歌手が前に出すぎている事と、重唱で他の女声とカラスの声の相性があまりよくない感じで、聴きづらい点があるのが残念。