ヴェルディ「一日だけの王様」

シモネット指揮 RAIミラノ交響楽団(1951)
レナート・カペッキ
セスト・ブルスカンティーニ
リナ・パリューギ
ラウラ・コッジ
クリスティアーノ・ダラマンガス
フアン・オンシーナ
マリオ・カーリン
オッタヴィオ・プレニツィオ
ヴェルディは生涯でブッファを2つ書いた。一つはご存知「ファルスタッフ」であるが、もう一つが第2作目のこの「一日だけの王様」であり、一般には失敗作と言われているものである。そのおかげ(と言っては何だが)でヴェルディはその後のドラマティック・オペラの追求の道を歩んだわけだ。
オペラ2作目だから、劇場との契約でおしつけられた意に沿わない台本だったようだし、以前「ナブッコ」の所でも書いたが(こちら)「子供二人と愛妻を相次いで病で亡くし」というのが、このオペラの作曲前と最中のことで、そんな時期にブッファというのも、モチベーションの問題があったろう。
しかし、ネット上では再評価というか、けっこう評判が良い。また「もう一つのメリー・ウィドウ」という見解もあり「メリー・ウィドウ」の好きな私は気になってくる(笑)
コッソット、ノーマン、カレーラスという豪華キャスト盤の廉価盤もあったが、彼らでブッファはちょっと違和感があったので、モノラルながら、芸達者のカペッキ、ブルスカンティーニが参加しているシモネット盤を購入した。
あらすじは下記サイトが一番分かりやすいと思う。
ttp://homepage2.nifty.com/aine/opera1/opera117.htm
要は、二組のカップルの、誤解や意地の張り合いやらの1日のドタバタ騒ぎが最後はめでたしめでたしで終わる話、国際問題も絡んでいるし、実際「メリー・ウィドウ」っぽい。
音楽のほうは、がんばってブッファを書きました、と言う感じ。これは悪口ではなく、ときおり、つい音楽がドラマティックになってしまったりして、微笑ましく感ずるのだ。
成功しているかどうかはさておき、斬新なフレージングに挑戦している感じも好感が持てる。
勿論、第2作目ということで、ロッシーニ等の先人の影響は強いが、力作である事は確かだと思う。