ヴェルディ「椿姫」

ヴォットー指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団(1962)
レナータ・スコット:ヴィオレッタ
ジャンニ・ライモンディ:アルフレード
エットーレ・バスティアニーニ:ジェルモン

ミラノ・スカラ座/ヴェルディ・ボックスである。
子供の頃、母がテレビで見ていた時横で見ていた「椿姫」の日本公演(レナータ・スコットホセ・カレーラス)が私のイラオペ初体験であったことは以前どこかで書いた。
よって、スコットの「椿姫」は感慨深いものがある。
さらに「ドン・カルロ」「運命の力」で素晴らしかったバスティアニーニもいる。
実は、ジュリーニの「椿姫」のジェルモンもバスティアニーニだった(汗)さらにカラスのドニゼッティ「ポリウト(殉教者)」にもいたので聴いていたはずだったのだが(汗)
いつもは、モノや発掘音源系ばかり聴いているので、ステレオだとなんかほっとするな(笑)考えてみたら「椿姫」のステレオ盤はカルロス・クライバー盤以来だ(爆)
さて、レナータ・スコットと言う人は、美声かつ高音域から低音域までむらの無い発声で、音程も完璧、ソプラノのお手本のような人なのだが、あえて言えば、それ以上にこちらに訴えかけてくるものがあまり無い気がする。いや、これはあくまで個人的な感想。
ちなみに「花から花へ」のラストは、カラスが始めたと言う楽譜に無い最高音で終わるパターン。
ライモンディは素晴らしい歌手だが、やはりワーグナーのイメージが強い。
バスティアニーニは、上記のようにジュリーニ=カラスの「椿姫」を持っているが(バスティアニーニだけ聴きなおした)やはり音のいい録音で聴けてうれしい。
ヴォットーの指揮は手堅くまとめている感じだが、個人的にはテンポ設定が若干遅い気がする。
以前、ラストの「なんという悲劇!」について書いた事があったが(こちら)正確には医者が「ご臨終です」と歌い、畳み掛けるように全員が「なんという悲劇!」と歌う。
この録音では医者の「ご臨終です」まで歌われていて「なんという悲劇!」が無い!うーん、無いなら全部無い、あるなら全部あってほしかった(笑)