「星を継ぐもの 01」星野之宣 原作 J・P・ホーガン(1978)

というわけで(こちら)「巨人たちの星」3部作(第4部の「内なる宇宙」は別扱いにしたほうがいいだろう)再読してから、この星野之宣の漫画化第1巻を読むと、星野之宣は、3部作を一つの物語として再構成しようとしていることがわかる。なぜわかるか。それは3部作を読んだ人がこの第1巻を読めば、すぐわかってしまうのだった(笑)
大方の意見と共通すると思うが、ホーガンという人は、自分に浮んだ卓抜したアイデアを、嬉々として文章化している無邪気な子供のような作家である。それがゆえの長所が、それがゆえの短所を凌駕しているために、人気作家としての地位を築いていたのだ。
しかし、この3部作、「星を継ぐもの」が傑作である事は万人が認めるところだが、さて続く「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」については部妙なところではないか。
確かに全ての謎は解け、円環的に大団円を迎える。しかし、次の作品を読むたびに「え〜?これじゃ、前作の「アレ」は、何だったの〜?」という事の連発で、決して作品として繋がりが良いとはいえないのではないか。御都合主義も鼻につく(それが無邪気たる由縁だが)
しかし、上記のように、はじめから3部作を1作品として再構成するならば、ホーガンの短所もよほど軽減されるのでは、と期待させる。