ポンキエッリ「ラ・ジョコンダ」

ガヴァッツェーニ指揮 フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団(1957)
アニタ・チェルケッティ
マリオ・デル=モナコ
エットーレ・バスティアニーニ
ジュリエッタ・シミオナート
チェーザレ・シエピ
「時の踊り」で有名な「ラ・ジョコンダ」を、さてどの録音で聴こうか、と思ったところ、カラス盤やらジェンチェル盤もあるのだけれど、病により早期引退した幻の歌姫、アニタ・チェルケッティ(こちら)の、唯一のオペラ全曲盤(オフィシャル)が「ラ・ジョコンダ」である事を知り、若干お値段ははるのだが購入した。
他のメンツも信じられないくらい豪華。しかも!バスティアニーニがいる!!
歌姫ジョコンダの恋人は、追放中の貴族エンツィオ、しかしかつてのエンツィオの恋人、今はベネツィア総督の妻ラウラが未だエンツィオを忘れられない。総督の密偵バルナバは、横恋慕しているジョコンダを手に入れるために、エンツィオとラウラの仲を取り持ちながら、提督にその事を密告する。
ジョコンダにとっては恋敵であるはずのラウラであるが、ジョコンダの母の命の恩人である事がわかり、不貞を知った総督からエンツィオとラウラを逃がす手助けをする。ジョコンダはエンツィオを牢から逃がす見返りにバルナバに身を捧げる約束をするが、バルナバの目の前で、ジョコンダは自殺する。
合唱、重唱が次々と繰り出され、息をもつけぬ展開とはこういうことを言うのだろう。それをこの豪華メンバーが歌うのだから、歴史的名盤というのもうなずける。
バスティアニーニは悪役でキーマンなので、出番が多くて嬉しいな。
ジョコンダの母役の"Franca Sacchi"が、詳しい事はわからないが他のメンバーに伍してもかなり良かった。
しかし、あえて、あえてであるが言うならば、チェルケッティ若干26歳、声は圧倒的だが(ストーリーからわかるとおり)複雑に悩む主人公の役への切り込みがやや物足りないか。そうなるとやはりカラス盤も聴きたくなるな。映像も見てみたい。デアゴスティーニで出さないかな。