フルトヴェングラー ルツェルンのエロイカ


ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」
フルトヴェングラー指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団(1953)
郊外ショッピングセンターのCD屋で、フルトヴェングラーの見慣れない邦盤が並んでいた。まあ、新装の復刻盤なんだろうな、とは思いつつ、一応順番に曲目とオケと演奏年を確認していった。
ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が何種類かあったのだが、その中にルツェルン祝祭管弦楽団があった。
え?ルツェルン?ルツェルンの第9は持っているけどルツェルンの「エロイカ」なんて知らんぞ?
というわけで、お値段も安かったので、恐る恐る買って、帰宅して調べたところ1996年に発掘されたものだとか。私の脳内情報は数十年前で止まってしまっていたのだ(汗)私の知る限り、最も晩年のエロイカである。
さて、フルトヴェングラーのエロイカは、オフィシャルの1952年盤は第1楽章がギクシャク感があり、ウラニア盤(1944)は細部がつぶれている箇所がある、と個人的には今までは隔靴掻痒の感があった。
このルツェルン盤は、音はわるいけれども、細部はつぶれていないし、フルトヴェングラーお得意のテンポ変化も、曲の本来もっている躍動感から自然に湧き上がる感じに仕上がっていて、個人的には最も感動的なエロイカだ。
ちなみに、この演奏の1か月後のウィーン・フィルとの演奏が2004年に発売されたらしいが、通販サイトで探しきれなかった。音は悪いとか。