プッチーニ「三部作:ジャンニ・スキッキ」

マゼール指揮 ロンドン交響楽団(1976)
ジャンニ・スキッキ:ティト・ゴッビ
ラウレッタ:イレアナ・コトルバス
リヌッチョ:プラシド・ドミンゴ
ツィータ:アンナ・ディ・スタジオ

三部作の最後は喜劇である。
大富豪ブォーソが死亡したばかりだが、遺言で全財産が修道院に寄付することになっている。
しかしそれでは親戚一同が大変困る。特にリヌッチョは愛するラウレッタと結婚できない。
ラウレッタの父ジャンニ・スキッキに泣きつくと、ジャンニは親戚一同から全権を委任される事を条件にブォーソになり済まして、公証人を呼んで新たに遺言を口述筆記させる。
その際に、ちゃっかりジャンニは自分へも遺産をわけるが、親戚一同は文句が言えない。
ジャンニは地獄行きを覚悟するが、娘の為にまったく後悔はしていない、というお話。うーん明らかに犯罪なんだが(笑)元々ダンテの「神曲」にちょっと出てくるのがジャンニ・スキッキということで「ダンテ先生に免じて情状酌量を」と観客に頼み込まれては許さないわけにはいかないか(笑)
さて、ゴッビが歌っている!1913年生まれだから63歳の時の録音だ!元気だな〜。1979年(66歳)まで舞台に立ったらしい。憎々しい悪役では天下一品だが、ここでは歳をとったせいか、声がまろやかになってきている。以前はこんな事を書いたが(こちら)このタイミングなら「ファルスタッフ」を聴いてみたいな。一番歳をとっている時の録音が1968年か・・・微妙だな。
ちなみに「外套」では良かった近代和声の導入だが、さすがにブッファでは無理があるか。
このオペラは知らなくても、たぶんみんな一度は聴いた事がある「私のお父さん」
この音源と同一。単独ならゆっくり目のテンポで歌われるが、実はオペラの流れの中に入っているので、このぐらいのテンポが自然。