津軽弁と南部弁

何度も書いているが青森生まれ札幌、埼玉育ち八戸在住の私は、ある程度はわかっていてもコアな方言はなかなか歯が立たない。
全く違う言葉になるるなら意味を聞けるが、標準語と同じか、想像がつく言葉なのに、意味が正反対になってしまう場合があるので要注意である。
津軽の人に、何かをしてあげましょうというと、決まって「迷惑だじゃ〜」と返される。
これは、そんなことされたらこっちは迷惑だ、ということではなく、相手に対して迷惑をかけてしまう、と恐縮しているのだ。大阪では「自分」は「あなた」の意味だが、つまりは主語が相手になるのだ。
また、南部では「わがんね(わがね)」という言い回しがあるが、これは「わからない」ではなく「駄目だ」という意味になる。もともとはわからないから、だめではないでしょうか、という南部人的な婉曲な言い回しが「否定」として定着したらしい。
津軽では「わがね」は普通に「わからない」の意味である。なのでうちの奥さんは津軽から八戸の専門学校へ入学し就職したのだが、会社のおじいさんクラスの人にこれを言われて、本当の意味を知るまでずいぶん悩んだそうだ。同じ県内で、全く意味が違うというのも津軽+南部という無理やりな組み合わせで県にさせられた青森県ならではの事象といえる。
ちなみに津軽の「駄目だ」は「まいね」と言う。
PS.太宰治の「ダス・ゲマイネ」が津軽弁の「だすけ、まいね」から来ているという説をネット上で見かけたが、これは矛盾している。なぜなら「まいね」は津軽弁だが「だすけ」は南部弁だからだ。津軽弁では「だはんで」になる。ちなみに意味は「〜だから」