ワーグナー「パルジファル」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1961)
ジェス・トーマス:パルジファル
アイリーン・ダリス:クンドリー
ジョージ・ロンドン:アルフォンタス
ルートヴィヒ・ヴェーバー:ティトゥレル
ハンス・ホッター:グルネマンツ
グスタフ・ナイトリンガー:クリングゾール
クラウディア・ヘルマン:小姓
ルート・ヘッセ:小姓
ゲルハルト・シュトルツェ:小姓
ゲオルク・パスクーダ:小姓
グンドゥラ・ヤノヴィッツ:花の乙女たち
アニヤ・シリア:花の乙女たち
クラウディア・ヘルマン:花の乙女たち
ドロテア・ジーベルト:花の乙女たち
リタ・バルトス:花の乙女たち
ルート・ヘッセ:花の乙女たち
かの1962年のステレオ正規盤とほぼメンバーは同じ、ティトゥレルがこちらはベテランのヴェーバー、1962年盤は当時若手のタルヴェラ。
1962年盤は曲と指揮者が一体となった清澄感にあふれているが、こちらは若干の粘っこさは残るものの、ほとんど1962年の境地に達している。
そうなると歌手の出来が二つの盤の差になるのだが、改めて1962年盤を聴き直すと、この盤で唯一欠点をあげるとしたら、パルジファル役のトーマスなのかなあと思うに至った。この人はアルデンホフのミニチュア版(失礼)みたいなところがあって、声の輝きはあるものの声の圧力で音程が不確かになる。アルデンホフは迫力で押し切っている部分があるので、許せる部分もあるのだが、トーマスはいかんせんアルデンホフよりスケールが小さいので、欠点の方が耳につく。
しかし、この1961年盤は、1962年よりはいい。ネットでは1962年より1961年をステレオで録っておくべきだった、という意見もあるが、トーマスに関してはその通りだと言える。





クナの「パルジファル」は、この1961年盤で個人的には打ち止めのはずだった。
しかし、残る1952年、1956年、1957年、1958年も結局聴いてしまいたくなってしまった(汗)