ヴァンスカの「エロイカ」

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ヴァンスカ指揮 ミネソタ管弦楽団(2006)
アタック音が短い、または急激にデイミヌエンドする、最弱音があまりに弱弱しい(これはヴァンスカの個性なんだが)あたりは好みが分かれるところであろう。
全体に速めのテンポで、印象派シューリヒトのパリ管盤に近い。
小編成、かつヴァイオリンが左右配置で、どこまでも見通しのいい演奏で、各楽器のからみが実に心地よい。
なので、第1楽章の展開部の例の「掛け合い」の部分がちゃんと「掛け合い」に聴こえる。どんな有名指揮者も、ここがちゃんと「掛け合い」に聴こえる演奏はほとんどないので、これは貴重である。
第1楽章コーダ部のトランペットが途中で無くなるので、オリジナル譜使用であろう。