アブラヴァネルのシベ7

シベリウス 交響曲第7番
アブラヴァネル指揮 ユタ交響楽団(1977)
ユタ交響楽団は、特にテクニックに秀でているオーケストラではない。しかし、その朴訥な響きが逆に好感が持てる。アブラヴァネルも下品にならない程度のニュアンス付けが同様に好感が持てる。
けっして切り込みが激しい演奏では無いので、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。しかし、そのせいで、一般的なこの曲の演奏法である「静と動の対比」があいまいになっているために「第7は幽玄たる渾然一体感が好ましい」という個人的な観点からは、これはティントナーと並ぶ好演としたい。