シベリウス交響曲第7番について

シベリウス交響曲第7番について
シベリウスの交響曲第7番は、通常の4楽章形式の交響曲の要素が単一楽章に詰め込まれている。
よって、ゆっくりの部分は思い入れたっぷりに演奏し、アッチェレランドやテンポが速い部分は一気呵成に激しく演奏して、静と動の対比を鮮やかにする、というのがほとんどの演奏であリ、また本来そう演奏されるべきなのだろう。
しかし、ティントナーは、ゆっくりな部分をよけいな思い入れを込めずにすっきりと演奏し、アッチェレランドやテンポを上げる部分は、さすがに無視はしないが必要最小限に抑えて激しさも抑えている。
そうすると結果的にこの単一楽章の音楽が、幽玄なる渾然一体の曲に仕上がるのである。
そもそも、シベリウスにはまるきっかけになったのが、このティントナーのシベ7であるから、この演奏で私のシベ7の理想が決まってしまったのだ。
たまにゆっくりな部分がすっきりしているので「これはいいかも」と期待していると、やはり速い部分が速すぎてがっかりしたりする。それがヴァンスカ盤やアブラヴァネル盤にあたる。
なのでヴァンスカ盤やアブラヴァネル盤はティントナー盤に次ぐ演奏となる(あくまで個人的な話)