ブルッフ 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲

ブルッフ  2台のピアノと管弦楽のための協奏曲
ドラティ指揮 ロンドン交響楽団
ネイサン・トゥワイニング(ピアノ)
マーティン・バーコフスキー(ピアノ)

ヴァイオリン系の曲を聴いて知ることになったブルッフであるが、興味を持ったので交響曲全集を買ってみる。
マズア指揮のもあったが「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」が隠れた名曲との噂があり、そちらも収録しているコンロン指揮+ドラティ指揮の盤を選んだ。
で、早速聴いてみる。
ブルッフは1938年生まれ、ビゼーと同い年、前後5年に、ブラームスサン=サーンス(以上、上)ムソルグスキーチャイコフスキードヴォルザーク、マスネ、グリーグ(以上 下)がおり、民族音楽主義が席巻する中でのドイツの牙城の一人であった事が伺える。
そもそもこの「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」は、演奏家によって勝手に改訂版が作られ、それが出版され、オリジナル手稿の発見は1971年とのことで、まさに、埋もれていた名曲ということになる。ネット情報が極端に少ないのは、やはり世間的には新しい曲になるからだろうか。
ちなみになぜ2台かというと、元々はオルガン協奏曲として構想されたために、ピアノ1台では足りなかった(オルガンは足もあるし)との事、よって、2台は本来1台として聴こえるように作られているために、掛け合いとかがあるわけではない。

曲は、バロックとロマン派の最も理想的な融合と言える序奏的な第1楽章から始まり、第2楽章~第4楽章は、その後の「現代音楽」を通り越して、現代の上質なポピュラー音楽につながるような、気持ち良い音世界が展開する。
この曲は、本当にこれから人口に膾炙して、名曲扱いされるべき曲だと主張する。