アントン・デルモータ アリア集

アントン・デルモータ アリア集
常々テノールはアントン・デルモータが1番好きだ、と書いてきているが、この人はリリックで主要レパートリーはモーツァルトである。
しかし、この人の声を聴くたびに「ワーグナーもいけるんじゃないの?」と思っていた。
随分前に、この人の録音はチェックした事があるのだが、今回改めて調べたらこれが見つかった。なんとワーグナーを歌っているのである!
ワーグナーさまよえるオランダ人」より1曲、「ローエングリン」より4曲(実質2曲)「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より2曲「ワルキューレ」!!!より1曲
あとは下記よりそれぞれ1曲づつ
ヴェーバー「魔弾の射手」ベートーヴェンフィデリオ」ボロディン「イーゴリ公オッフェンバックホフマン物語スメタナ「売られた花嫁」マスネ「ウエルテル」
聴いてみると、予想にたがわず素晴らしい。特に「ローエングリン」は全曲盤も残してほしかったぐらい相性がいい。生涯リリックの守備範囲を逸脱しなかったのは正解だとは思うが、こういう録音が残っているのだから、彼も少しはワーグナーへの憧憬があったのかもしれない。