「夕ばえ作戦」

「夕ばえ作戦」光瀬龍(連載:1964)
「夕ばえ作戦」原作:光瀬龍 脚色:押井守 漫画:大野ツトム(2011)
光瀬龍のジュブナイルSFは多い。たぶん「タイムトラベラー」(時をかける少女筒井康隆)から始まるNHK少年ドラマシリーズでやっていたからであろうが、名前を知っている「夕ばえ作戦」を読んで「光瀬龍再発見の旅」を終了しようと思った。
調べてみたら、漫画版もある!それもつい最近である(だから再発見の旅も今だったのか?)で、せっかくだから全4巻セットをユーズドで購入したら、なんと脚色が押井守ではないかっ!ファンだったとはっ!「攻殻機動隊」のある種諦念的な雰囲気は、光瀬龍の影響かっ!
で、先に漫画版が届いた。本編は原作を読んでからと思ったが、解説には当時のジュブナイルSFや少年ドラマシリーズの事、そしてなんと押井守のインタビューもあるではないかっ!これはすごい!
また、解説によると、デビュー間もない頃のこの「夕ばえ作戦」は光瀬龍の出世作だったらしい。この後ジュブナイルSFの依頼が増大し「百億の昼と千億の夜」の連載も始まったとか。
で、めでたく小説版も届いたので読んでみた。現代の中学生が過去へ行って忍者同士の争いに現代機器で介入し活躍するという、個人的にはあまり好きではない話かと思ったら、抜群によく出来た面白い話だった!「光瀬龍再発見の旅」の最後の1冊にしようかと思ったが、入手できるジュヴナイルも読みたくなってきたではないかっ!
さらに漫画版であるが「夕ばえ」をキーワードとした二重三重にかぶせられた別設定が抜群で、さすがに押井さん、「百億の昼と千億の夜」における萩尾望都に勝るとも劣らない。