フリッチャイのバルトーク 管弦楽のための協奏曲 もうひとつの弦チェレ

バルトーク 管弦楽のための協奏曲
フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団(1957)
フリッチャイの「管弦楽のための協奏曲」は、聴いておきたかった。
かねてから述べている「通俗性のある曲は、真摯に演奏するべき」という主張のお手本のような演奏である。1957年にしてモノラルなので、聴く前はなんでステレオで録音しなかったんだろう、と思ったのだが、ステレオに負けないくらい音がいいし、これだけの集中力と凝縮性を兼ね備えた演奏は、逆に中央に音が集中するモノラルのほうがいい、という判断だったかもしれない。
一般にはステレオのライナー盤で充分かもしれないが、個人的には僅差でフリッチャイを取る。
ちなみに1959年に国際レコードクランプリ(Grand Prix International du Disque)1979年に「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」(後述)とのカップリングの再発売時にドイツ・レコード大賞(Groser Deutscher Schallplattenpreis 1979)を受賞している。


バルトーク 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
フリッチャイ指揮  RIAS交響楽団(1953)
先日のBOXの「弦チェレ」(と略すのだそうだ!)は1952年なので1年後の別録音になる。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2013/07/31
全体に1952年盤よりテンポが速く推進力は抜群だが、その分私の好きな「気味の悪い対位法」の魅力が若干損なわれている感あり。僅差で1952年盤を取るが、両方とも名演であろう。

ちなみにRIAS交響楽団がRIAS放送協会からの援助が打ち切られて改称したのがベルリン放送交響楽団、どっちにしても当時はフリッチャイの手兵と言ってよい。