クリフォード・D・シマック

クリフォード・D・シマック
クリフォード・D・シマックの「都市」という作品は、例えば歴代SFベストを選ぶ際に、トップ3を狙えないが、トップ20とかだったら誰が選んでも入ってくると思う。
褒め言葉に聞こえないかもしれないが、たとえばクラークやハインラインアシモフとかは、人それぞれ好みが分かれるかもしれないが、このシマックの作品は、トップに推せなくても、誰が見てもSF史上からは決して抹殺してはいけない、そんな価値をもつ作家のような気がする。
「都市」というのは詰め込まれたアイデアが半端ではないが、この連作短編の真のテーマ、そして読後感は、そういったアイデアにあるのではない。
そしてまた「中継ステーション」の素晴らしさ、アメリカの片田舎に全宇宙の運命が握られているという「つっこみ所」がありながらも、なんとも捨てがたい抒情性にあふれている。
そのシマックであるが、私の子供の頃は「都市」ぐらいしか読むことができなかった。
あまりSFを読まなくなった頃、さかんに出版されたようだが、その後再び興味を持った頃には「中継ステーション」と「小鬼の居留地」(未読)はなんとか手に入れたが、他は入手できなかった(そもそも未翻訳が膨大らしいが)
しかし、最近また昔読みたかったSFとかを思い出したので、ユーズドで購入していこうかな。