クリフォード・D・シマック「大きな前庭」「愚者の聖戦」

クリフォード・D・シマック「大きな前庭」「愚者の聖戦」
短編集"The Worlds of Clifford Simak"(1960)を翻訳の際に分冊にしたもの。
ユーモアありシニカルあり、ホラーあり、シリアスあり、バラエティに富んだ作品揃いでオチも秀逸。短編を読んでゆくとシマックがブラウンやブラッドベリばりに実にストーリー・テリングに長けた作家だということがわかる。
一般に言われる「牧歌的」というレッテルを貼られる事で、彼のストーリー・テリングの才能が軽視されているとしたら、このレッテルでシマックは損をしているのかもしれない。
「都市」「中継ステーション」と共に是非とも復刊してもらって、若いSFファンにも読んでもらいたい。
ちなみに「愚者の聖戦」の最初に収録されている「ほこりまみれのゼブラ」を読んでいて、なんかどこかで読んだことがあるぞ、と思ったら、アンソロジー「幻想と怪奇」に収録されていた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2012/02/09
また、同じく「愚者の聖戦」の最後に収録されている「緑の親指」は、植物系異星人版「ET」とも言える内容で、もしかしてこれが元ネタ?等と思ってしまう。