「虹を翔る覇者<デラックス・エディション>」(とジミー・ベインの話)

「虹を翔る覇者<デラックス・エディション>」
レインボー
本日長いです。

私は今まで「虹を翔る覇者」について勘違いしていたのかもしれない。

今まで思っていたのは

アナログ盤とCDではミックスが違う。
1.アナログ盤はベースがかなりひっこんでいる。
2.アナログ盤の「ドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズ」にはハンドクラップがあるが、CDには無い。
等々

なので、ベーシストとしてはCDになってベースが聴こえるようになってうれしかったが、「ドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズ」のハンドクラップが懐かしくて、アナログ盤を買い直したりしていた。

2011年に「虹を翔る覇者<デラックス・エディション>」なるものが出ていたのを知らなかったので輸入盤で購入した。
「ニューヨーク・ミックス(以下NYM)」「ロサンゼルス・ミックス(以下LAM)」「ラフ・ミックス」の3種類の音源が収録されているのだが、私の聴く限りYNMがアナログ盤、LAMがCD盤の音源である。
なので、NYMがアナログ盤のマスター・テープであり、LAMがCD盤のマスター・テープなのだな、と納得しかけた。

(ここまでが前提)

しかし、ネットでこのCDの感想を書いている人が「NYMは、国内盤のCDと違いがわからない」と書いてあるのを見て「あれ?」と思った。
実は私のもっているCDはアメリカ盤であり、今まで国内盤のCDでこのアルバムを聴いた事が無かったのだ。

つまりは、アナログ時代からCD時代まで
国内盤(そしてたぶんイギリス発売のオリジナル盤)はNYM、アメリカ盤はLAMがマスター・テープになっている、という事なんだろうか?

と思ったらこんなサイトがあった。
http://www.geocities.jp/nay340501/nazotop.html

ということは、アメリカと日本の最初のCDはLAMということでよさそうだ(汗)

上記の方は、日本のリマスター盤を聴いたのだろう。

 

さて、改めで聴き比べるとNYMはベースの音量も低いが、さらにリッチ―のリフを弾いているギターがさらベースにかぶさっている感じ、LAMはそのリッチ―のギターが脇にのいて音量を若干下げ、ベースがその分音量があがっている。
NYMのほうがスカスカした感じがするが、リズムを感じさせるのがコージーのドラムスのみなので、いやでもコージーが目立つ結果になる。(たぶんそれが狙い)
LAMの方が、バランスがいい分、当たり前のヘビーでタイトなハードロックに仕上がっている。個人的にはこっちを取る。

「ラフ・ミックス」については特に書かないが一点だけ。
スターゲイザー」のギターソロであるが、前半はボトルネック奏法、後半は指弾きで、オフィシャルではボトルネックを指から外しているであろう「間」にワンフレーズギターがオーヴァー・ダヴされている(と昔から聞き取っていた)
「ラフ・ミックス」はそこのところがどうなっているか興味深々だったが、フレーズまで行かなくても1音はあった、が若干「ビビリ」の音なので、やはりボトルネックを指から外す際の不手際がわずかにのこっていたために、オフィシャルではそこにワンフレーズを重ねたと思われる。

ジミー・ベインの話
ジミー・ベインはレインボーの「虹を翔る覇者」「レインボー・オン・ステージ」でベースを弾き、脱退(解雇)後は、ロニー・ジェイムス・ディオのバンド「ディオ」に1980年代に在籍した事で知られるベーシストであるが、この人のベースについてネット上の評判があまりよろしくない。
曰く、堅実ながらも地味で面白みが無い、それゆえに解雇された。
こういう意見を見ると本当に耳を疑うのだが、ベーシストの立場から言わせてもらえば、堅実で地味に聴こえるかもしれないが、実は彼のように弾くには、かなりのセンスが必要なのだ。ロジャー・グローヴァーと同様に、ネット上で誤解されているベーシストだと思う。
「レインボー・オン・ステージ」では、ロニーに合わせてバック・コーラスを歌っているが、聴き劣りしないほどうまい。個人的には、レインボーのベースは(少なくともロニー脱退までは)ジミーでいてほしかった。

最近、2011年に行われたジミー・ベインのインタビュー記事を見かけたが、解雇のいきさつは(ジミーの言だが)ジミー側の音楽的問題ではないようだ。(リッチ―の人間性?(笑))
だから「堅実ながらも地味で面白みが無い、それゆえに解雇された」というのは、勝手な想像によるデマである。
また、SCORPIONSの"Love At First Sting"に参加しているが、クレジットが無い、というのも初めて知った。
また、ヴィヴィアン・キャンベルをディオに紹介したのがジミーであるとか、ジミー在籍時の最後のアルバム"Dream Evil"録音時、ロニーはクィーンのような感じでやりたがったが、ジミーはそれを嫌ったがゆえに脱退した、とか、"Sunset Superman"は、ロニーがあきらかにクィーンを意識した曲だったとか、興味深い話が満載。
またウィキペディアで知ったが、ジミーはスコットランド出身、ケルトではないかっ!

おまけ
若き日のロニー・ジェイムス・ディオの短髪写真!
http://quampaney.exblog.jp/13359648