ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」の版問題

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」の版問題
「ホヴァーンシチナ」は、ムソルグスキーがピアノ譜と歌唱譜を残したまま、未完の状態にあったオペラであるが(終結部も書かれていない)人によっては「ボリス・ゴドゥノフ」よりいい、という人もいるので、今回聴いてみる事にするが、あらかじめ版問題をまとめておく。(ウィキペディアによる)
1.リムスキー=コルサコフ
「ボリス・ゴドゥノフ」同様リムスキー=コルサコフによる改ざんと、ワーグナー風管弦楽法とのこと。この話は「ピョートル大帝」対「古儀式派」の争いがテーマだが、終結部は「新しきが古きを駆逐する」という意味合いから「ピョートル大帝」勝利を肯定。行進曲で終わる。
2.ストラヴィンスキー
終結部は「古儀式派」の合唱が消え入るように終わる。
3.ショスタコーヴィチ
映画用に作成。ソ連の社会主義プロパガンダ色が強く「古儀式派」を民衆ととらえ、行進曲ののちに第1幕「民衆の合唱」と前奏曲を演奏し「真の民衆の解放は、社会主義革命を待たなければならなかった」と暗にほのめかす。
4.ゲルギエフ
基本的にはショスタコーヴィチ版だが、ソ連の社会主義プロパガンダの部分である行進曲以降はカット。「古儀式派」の合唱が力強く終わる。

今回は
1.リムスキー=コルサコフ
3.ショスタコーヴィチ
4.ゲルギエフ
を聴いてゆくことにする。