A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐の彼方」

A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐の彼方」(1952)
出版は1952年だが、1940年代の3つの中編をつなげて長編に仕立てたもの。
一万年以上前から地球との接触を絶っている世界「五十の太陽」と、その位置を突き止めようとする宇宙戦艦の衝突、しかし「五十の太陽」も地球軍も一枚岩ではないところがこの物語のミソ。
宇宙戦艦の艦長がやんごとなき御身分の傲慢な女艦長だし「五十の太陽」からの刺客は「混成人」という一種の超能力者で、そこらへんは「武器製造業者」を髣髴とさせる。ネットでは「なんとツンデレ」という意見があったが、ヴォクトこういうヒロインが好みなんだろうか。