モーリス・ルブラン「ルパン最後の事件」「山羊皮服を着た男」「エメラルドの指輪」

モーリス・ルブラン「ルパン最後の事件」「山羊皮服を着た男」「エメラルドの指輪」
この物語は、偕成社の単行本しか邦訳が無いために、今までは入手していなかったのだが、今回中古本で入手した。
ルブランの息子の奥さんが大きく関与したといわれ、そのせいで息子はこの作品をルブラン作品として認めていない、等問題が多い作品とのこと。
確かに、展開に説得力が無く、説得力が無いから何の共感も呼ばない。ルパンを始めとする登場人物も、感情移入できるような魅力的な人物がいない。そんな作品が面白いわけがない。
この偕成社版「ルパン最後の事件」には、短編が2作
「山羊皮服を着た男」(1927(1912:英語版))「エメラルドの指輪」(1930)
が、収録されている。
「山羊皮服を着た男」は、作品中にも語られているが、ルパン版「モルグ街の殺人」、「エメラルドの指輪」は心理小説的一遍と言えようか。