クォーターマス「クォーターマス」(1970)

クォーターマス「クォーターマス」(1970)
クォーターマスというキーボード・トリオについては、ベースのジョン・ガスタフソンがらみでちらっとだけ触れたことがあったが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20091218/p1
「ELPがハードロックをやっているよう」とか、レインボーの「ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリー(黒い羊)」のオリジナルであるとか、要するに、わたしが欲しくなるのは当然のバンドであったが、長い事高値がついていたために入手することができなかったが、今回やっと廉価の中古があったので入手。
元々、イアン・ギラン、ロジャー・グローヴァーがディープ・パープル以前に在籍していた「エピソード・シックス」の末期メンバー3人が結成したバンドで、その後もキーボードのピート・ロビンソンはブランドX、ベースのジョン・ガスタフソンはスタジオ・ミュージシャンとしてロキシー・ミュージック、ドラムのミック・アンダーウッドはイアン・ギランの「ギラン」に参加、と錚々たる活躍をしている。
さて、予想と違ったのは、ハードロックはハードロックでも、ブルース/ファンク系統のハードロックで、他のキーボード・トリオとは一線を画す、他に類を見ないユニークなスタイル。
特筆すべきはジョン・ガスタフソンのボーカルで、クリームのジャック・ブルースやGFRのマーク・ファーナーのような声量抜群の伸びやかな声で、グレン・ヒューズのようなファンク色もある。
上記にもあるようにジョン・ガスタフソンはこの後スタジオ・ミュージシャン中心の活動になるのだが、ボーカルをとったという話はきかないので、ものすごくもったいない話だと思う。
ちなみに「ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリー」の作者はクォーターマスのメンバーではない。音源と主にまとめたサイトが下記。全4種のカバーが楽しめる。カバーするバンドによって、随分印象が違うのが面白い。本来の形は"Fat Mattress"のバージョンが近いと思われる。
http://ameblo.jp/morich-0706/entry-11327675579.html
リッチ―が曲を探してくるセンスの良さは以前から指摘されているが(ジェスロ・タルルネッサンスもある)この曲もよく見つけたな、と思う・・・あ、そういえばドラムのミック・アンダーウッドは、リッチ―の古い悪友とのことだから、そのつながりか。