コナン・ドイル「ドイル傑作集 1 ミステリー編」

コナン・ドイル「ドイル傑作集 1 ミステリー編」
ルパン・シリーズを読破したので、以前入手して未読だった、ホームズもの以外のコナン・ドイルの短編を集めたシリーズを読むことにする。「ミステリー編」「海洋奇談編」「怪奇編」の3冊にまとめられている(新潮社文庫版)
ミステリーといっても、探偵が謎を解く、といったスタイルで無く(もしそうなら、ホームズものに仕立てたであろう)とてもありえないような奇怪な出来事や、怪奇譚が、最後はちゃんと理屈が通った解決がある、という作品群。
ホームズものでも「バスカヴィル家の犬」等、怪奇色が強いが、アイリッシュ・ホラーという言葉があるなら、スコティッシュ・ホラーという言葉があってもいいはずで、ドイルの作品には、そういった香りも漂う。
ただ、翻訳者が捨てるに惜しいと加えた「五十年後」だけはちょっと雰囲気が違って、ラストはモンゴメリが書きそうな、ハート・ウォームな仕上がりになっている。