ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ(p)オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団(1939 1940)
ギレリス(p)クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団(1955)
クライバーン(p)キリル・コンドラシン指揮 シンフォニー・オブ・ジ・エア(1958)
アルゲリッチ(p)シャイ―指揮 ベルリン放送交響楽団(1982)
第2番ほどではないが、気がつくと(笑)我が家にあるラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番が4種類もあった。
ギレリスはラフマニノフ・BOX、クライバーンはリヴィング・ステレオBOX、アルゲリッチチャイコンとのカップリングで購入したもの。
クライバーンの演奏は、第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したクライバーンの凱旋帰国コンサートのライブ録音で、それまで第3番は、あまりに難曲のため、一般にはあまり演奏されていなかったが、この演奏がきっかけで広く演奏されるようになったという、いわくつきのもの。そういえは、この4人とも、いわゆるテクニック抜群のピアニストばかりである。
ラフマニノフ自身は、この曲をロマンティックに演奏されるのを嫌っていたそうで、自身の演奏も、この中では最もテンポが速い一気呵成のもの。その分(音が悪いせいもあるが)音楽がよくわからない。
ギレリスは、私の大好きなヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングのピアノ版みたいな人で、端正な中にかもし出される品のいいロマンティシズムがたまらないが、モノラルの分、この曲にはマイナスか。
最もたっぷり時間をかけた、抒情的な演奏がクライバーンで、音楽が良くわかる。演奏後の観客の熱狂的な拍手もむべなるかな。
最も激しく流麗なのがアルゲリッチであるが、その分音楽が流れてしまっている感は否めない。オケを置き去りにするギリギリの演奏も、チャイコフスキーあたりなら効果的だが、ラフマニノフにはどうか?それでも、観客の拍手は凄いので、直に聴いていたら興奮するんだろうな。