プロコフィエフ 交響曲第4番(原典版)「キージェ中尉」ヴァイオリン協奏曲第2番

プロコフィエフ 交響曲第4番(原典版
ゲルギエフ指揮 ロンドン交響楽団(2004)
前にも書いたように、この第4はほとんど別曲といえる改訂版があり、そちらはソ連帰国後の作品なので、もっと後から聴くことにした。
バレエ音楽「放蕩息子」から題材が取られているが、プロコフィエフにはこのパターンが多い。いろいろな理由があるだろうが、自作をそのまま公表しきれない種々の事情があったわけで、それがソ連への帰国の要因の一つになった、という考え方もできる。
第1番ほどではないが、けっこう古典への回帰が見られる、比較的耳になじむ音楽。不思議な浮遊感も魅力だが、元がバレエ音楽のせいかもしれない。

 

プロコフィエフ 組曲「キージェ中尉」
プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団(1974)
ここからソ連への帰国(正確には帰国ではないのだろうが)後の作品になる。
(ネット情報でも日本版では既に帰国している事になっているが、英語版ではこの後に帰国となっているのでよくわからん、曲自体のウィキペディアには「前後」となっててぼかしてある)
自身が作曲した同名の映画音楽の素材を元に管弦楽作品にしたもの。ちなみに映画の内容は風刺的な喜劇とのこと。
この曲はプロコフィエフの曲の中でも(いい意味で)最も大衆的な部類に入るであろう。

 

プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番
ミュンシュ指揮  ボストン交響楽団(1956)
ヤッシャ・ハイフェッツ(vn)
リヴィング・ステレオBOXである。
ハイフェッツの2度の録音により、この作品の知名度が上がったといういわくつきの演奏。ちなみにこれは2度目の録音。
「ギージェ中尉」ほどには大衆的ではなく、他の曲ほど現代音楽色が強いわけでもなく、耳触りは大変いいが、個人的にはピアノ協奏曲第3番と同様中途半端にまとまり過ぎの感あり。