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カー短編全集 1 2 3

ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集1:不可能犯罪捜査課」
マーチ大佐を探偵役とする「不可能犯罪捜査課シリーズ」が6篇プラスその他の作品4編からなる。
以前にも書いたが、不可能犯罪ものは、種明かしをしてみると多少の「肩透かし感」が伴うもので、長編ならば、そのまわりをさまざまに固めることで、作品としての面白さを保つことができるが、短編ともなると、まわりを固めるにはページ数が足りないために「肩透かし感」がむき出しになるきらいがある、ということがよくわかる。

 

ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集2:妖魔の森の家」
全体の過半数のページを占めるのが、例の「第三の銃弾」
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2014/03/13
の簡易版で、残りが4つの短編。
完全版が出たために、簡易版を作成したフレデリック・ダネイ(エラリイ・クイーンの片割れ)が、完全版をどうカットしたのか、に興味がある人以外には、かなり価値が薄れた感があるのはいたしかたない。
残りの4編は、カーター・ディクスン名義の探偵、ヘンリー・メリヴェール卿初登場の作品、ディクスン・カー名義の探偵ギデオン・フェル博士ものが2編、ノンシリーズが1編。
そのヘンリー・メリヴェール卿初登場、かる表題作の「妖魔の森の家」は、解説にもあるが、カー作品のみならず、短編推理小説史上に残る傑作と言える。
ノンシリーズの「赤いカツラの手がかり」は、型破りなフランス女性新聞記者ジャックリーヌとベル警部のコンビが、かなりキャラが立っているので、これをシリーズ化しなかったのはもったいなかったかも。

 

ジョン・ディクスン・カー「カー短編全集3:パリからきた紳士」
ヘンリー・メリヴェール卿もの1篇、ギデオン・フェル博士ものが3編、「不可能犯罪捜査課シリーズ」のマーチ大佐ものが2編、そして、あっと驚く人物が探偵を務める作品が1篇、その他の2編からなるが、この「あっと驚く人物」の正体を書きたいのだが、これは絶対に書いてはいけないのだ。なぜ書きたいか、なぜ書いてはいけないのか、はこの作品を読んでもらえればわかるのだ(笑)
第1巻では辛口の批評をしたが、こちらは読みごたえのある作品が多く、これに第2巻の「妖魔の森の家」を加えたのがカーの短編ベストと言えるか。