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邦光史郎の「幻シリーズ」「幻の出雲神話殺人事件」

スピリチュアル 文化 歴史 ミステリー

邦光史郎の「幻シリーズ」
古本屋でたまたま見つけたのだが、いわゆる歴史ミステリーシリーズで、寡聞ながら知らなかった。さまざまなジャンルを書いている作家だが「幻シリーズ」はほぼ1970年代の作品なので、ちょうど私が歴史ミステリー等を読みだした頃と若干のづれがあるために、知らずに来たのかもしれない。ということで、ユーズドでシリーズ全作品を入手。

邦光史郎「幻の出雲神話殺人事件」(1972)
元々は「夜と昼の神話」として発表されたが「幻シリーズ」誕生によりさかのぼって改題されたもの。
わたしの読んできた日本の推理小説は、社会派ミステリーのあたりがぽっかり抜けている。邦光史郎は「産業推理」と銘打たれた小説でデビューということで、たぶん社会派ミステリーの一ジャンルなんだろう。だから、作風に慣れない感じががある。
しかし、情報量は半端ないので勉強にはなるし、ミステリーなのに超能力とか出てくるのは、個人的には好感が持てる。
話はそれるが、以前から私は、古代日本の支配者層が、本来の日本人のイメージとづれがあるな、と感じてきていた。たぶん、多くの日本人も、武士が台頭してきて以後の「武士道」なら共感できるが、平安貴族あたりは(まあ平安文学あたりしか見ていない人以外は)共感する部分は少ないと思う。
この作品の一部で、日本にさまざまな民族がたどり着いて、島国ゆえにそこにとどまるがゆえに、最後には融合してしまうが、古代には支配者階層と被支配者階層はかなりあきらかな民族の違いがあったようなことが述べられている。
そうなると、古代日本の支配者層が、我々が思う日本人と違った価値観があっても納得はできる。
以前どこかで書いたが、土地にはそれぞれ精霊的なものがあり、他からどんな違う民族がやってきても、そこに住んでいるうちに、その精霊の影響をうけてその特色にそまってゆく、というスピリチュアルな説がある。
なので、最初は日本人っぽくなかった古代日本の支配者層も、長い時間をかけて本来日本が持っている特色に染まっていったのだ、としたら、話はわかる。