邦光史郎「幻の騎馬王朝」「幻の日本原人」

邦光史郎「幻の騎馬王朝」(1976)
次々の変死をとげる「語り部」達、という展開に魅かれて読み進めても、いったいどういう落としどころがあるのかわからなくなってきたのだが、終わってみればすべての伏線が見事に統合されていて、これはかなり読み応えのある作品となっている。

 

邦光史郎「幻の日本原人」(1976)
この作品で取り上げられている「ヒバゴン」というのも懐かしい。広島県比婆郡で目撃されたという類人猿で「バチヘビ(ツチノコ)」と並んで当時話題になった未確認動物 (UMA)である。
しかし、この作品の本当のテーマはタイトル通りに旧石器時代に日本にいたといわれる「日本原人」で、その考察と探究は、相変わらず丁寧で真摯だ。
また、以前この人は「産業推理」という枠でデビューしたと書いたが、この「幻シリーズ」も古代史の謎と現代のさまざまな産業の裏側がからむ仕組みなのだが(たぶん綿密な取材に基づいていると思うが)、今回はテレビ局でかなりえぐい(笑)