ショスタコーヴィチ 交響曲第7番「レニングラード」

ショスタコーヴィチ  交響曲第7番「レニングラード
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1942)
ロストロポーヴィチ指揮    ワシントン・ナショナル交響楽団(1989)
バルシャイ(指揮) ケルン放送交響楽団(1992)
第5同様に、裏にソ連全体主義の批判が隠されているというのがこの7番。(詳細はウィキペディア等でどうぞ)約70分のブルックナーなみの長尺曲である。
さて、覚えておられる方もいると思うが、この曲の第1楽章は昔CMに使用されたことがある。

聴きようによっては冗談にしか聞こえないこのフレーズが、長尺の原因になっている約30分弱の第1楽章で執拗に繰り返される。まるで嫌がらせのように(笑)ラヴェルの「ボレロ」へのオマージュとあればいたしかたないが、ここらへんにショスタコーヴィチの裏の意図があるようだし、それを知らない状態では西洋側で大いなる愚作と言われたのもむべなるかな。
第2、第3楽章は大変美しい音楽だし、第4楽章のアレグロは、フレーズ自体はノーマルだが、短い間隔での細かい転調が前衛的と言えば前衛的で、全体としてなかなかに聴き応えがある。
トスカニーニ盤は、アメリカ初演の記念すべき全世界放送音源とのことだが、ストレートな演奏な分「嫌がらせ感」が強い(笑)他の2人はそこらへんをうまくカモフラージュしている。